窓際の景色

書評、釣行記。

【書評】『儲けにつながる「会計の公式」』(日経ビジネス人文庫刊、岩谷誠治著)

春の嵐が吹き荒れ、漸く桜も開花し本格的な春が到来しました。それは、新年度が始まったと云う事でもあります(前年度の会社業績を振り返る間もなく)。そして、筆者も財務諸表に僅かばかりではありますが影響を与える会社員(営業職)です。  本書は経理財務部門の方であれば基本中の基本とでも言うべき会計の基礎的な内容となっています。しかし、それ以外の部門、例えば営業部門、製造部門などでサービスや製品を売ったり買ったりといった現金収入支出を伴う方こそ読むべき内容となっています。筆者も勤務先の財務諸表に僅かばかりではありますが影響を与える存在です。上司が得意先の財務諸表を分析して今後の営業戦略立案をしなければいけない事は当然ですし、町工場の社長が戦略商品を投入するにあたり設備投資に踏み切りましたが減価償却費計上ルールを知らなかったらどうでしょうか、最悪会社は倒産してしまうかもしれません。筆者は財務諸表を理解するには資産、負債、資本、収益、費用の5つのブロックの公式を理解するだけで良いと言っています。各ブロックの定位置とは、反対側に置くのはどんな場合かと云う事を平易な表現で伝授してくれます。また、会計初心者が必ず躓く減価償却費に関して、筆者も分かった気になってましたが「人為的な費用計上」という言い回しが本書でなされてなければ、いつ迄経っても分かった気状態からは脱出出来ていなかった事でしょう。
 また、4月は新入社員研修が始まる時期でもあります。人事部や経理財務部門担当研修では是非とも本書を推奨して頂く事を希望します。何故なら会計は社会人の必須科目だからです。
 最後に、本書との出会いはアルファブロガーの藤沢数希氏、小飼弾氏が推奨本として紹介されていたからに他なりません。良書との出会いに感謝です。