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窓際の景色

書評、釣行記。

【書評】「外資系金融の終わり 年収5000万円トレーダーの悩ましき日々」(ダイヤモンド社刊、藤沢数希著)

藤沢数希 ビジネス 書評

 アメリカンドリーム。低所得者にもマイホームが持てるサブプライムローンという名の誘惑と、金融工学の粋の結晶である高格付けサブプライムローン証券のスクランブルにより引き起こされたリーマンショックを契機とした金融危機と同時に、大きすぎて潰せない金融機関のモラルハザードが浮き彫りとなりました。

 投資銀行における自己勘定取引業務と預金・融資を分離させるボルカー・ルールの早期の実現と自己資本規制を厳格化させるバーゼルⅢにより金融業界の悪しき社会主義化の脱却を望むクールでシニカルな語り口はブログ「金融日記」、有料ブログ「週刊金融日記」の読者なら違和感は無いでしょう。

  また、金融危機以前以降の外資系金融機関の平均年収の移ろい、高収入トレーダーほどケチ、接待要因としてのキャバ嬢的女性社員雇用、死体処理係の人事部、など現役外資系金融機勤務の著者ならではの異文化案内は特に興味深い。

 金融業界を愛すればこその叱咤に満ちている本書。金融機関、特に外資系金融機関を志望する超一流のエリート大学にこそ読まれるべきものでしょう。

 週刊金融日記、金融日記のファンである筆者にとっては、ヘッジファンド設立には目をくれず外資系金融機関の幹部(サル山のボス)を目指される事を切望して止みません。