窓際の景色

書評、釣行記。

ノンフィクション

【書評】「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(増田俊也著、新潮社刊)

格闘技、とりわけ柔道に関しては全くの無知である。戦後で言えば井上康生、山下泰裕、小川直也、吉田秀彦、ウィリアム・ルスカ、アントン・ヘーシンク、少し古いところでは坂口征二くらいのものである。戦前ともなれば言わずもがなである。この長編柔道読み…

【書評】「大阪府警暴力団担当刑事 「祝井十吾」の事件簿」(講談社刊、森功著)

暴力団、芸能界、財界の切っても切れない相互扶助の関係を詳らかに晒す。 同和と財界の癒着(「同和と銀行 三菱UFJ“汚れ役”の黒い回顧録」、講談社刊)、イトマン事件の暗部(「許永中 日本の闇を背負い続けた男」、講談社刊)など、元来、アンダーグラウン…

【書評】「日本カジノ戦略」(新潮社刊、中條辰哉著)

嘆かわし事ですが、カジノ関連書籍が如何に少ない事か。わが日本は地方自治体を中心に誘致構想こそあれど、法案成立に至っていない。その事と無関係では無いだろう。 本書は2007年刊行と云う事もあり昨今のマカオの隆盛は織り込まれていない。ネバダ州立大学…

【書評】「ドキュメント副知事 猪瀬直樹の首都改造•1800日」(講談社刊、西条泰著)

石原慎太郎東京都知事が辞職されました。2012年12月16日が都知事選挙となります。石原さんは辞職にあたって、後継者として指名されたのは本書の主人公猪瀬直樹副知事です。そして、本書はその猪瀬副知事の1800日にも及ぶ都政への取り組みを纏めたドキュメン…

【書評】「橋下劇場」(中央公論新社刊、読売新聞大阪本社社会部著)

折しも、自民党、民主党総裁選真っ盛りの平成24年9月。年内総選挙の様相を呈しており両党とも来るべきその時に備えた選挙の顔選びでもある。敗戦濃厚の民主党は現総裁でもある野田佳彦氏が優勢、自民党は爺殺しの異名をとる石原伸晃氏、安倍晋三氏、石破…